夢のかけら ~True Story~
これは俺の原点となる「真実の物語」。
俺の使命は、子どもたちに「人生の後悔をさせない」ことやと本気で思ってる。
生き方も考え方も、あの日から全てが変わった。
17歳の冬……。
初めて命がけで女性を愛した。
その当時、相手は21歳のめっちゃきれいなお姉さん。
ただ飛田新地で働く遊女やってん。
俺が通うようになって何度目かのとき「好き」って気持ちを伝えた。
運が良く相手も俺のこと気に入ってて、それからよくその子のマンションに泊まりに行ってた。
いつも一緒にご飯を食べたり、手をつないでコンビニに行ったり……。
ただ何気ない毎日が楽しかった。
俺、夢中になってて。
舞い上がって周り見えへんようになってた。
彼女のことさえも……。
そんな時「今日は話したいことがある」っていろんなことを打ち明けられた。
劣悪な家庭環境で早くに家を出て、ぼろぼろの精神状態のなか生活のために働きだした。
ヤクザ、闇金、ホスト、酒、ドラッグ、最低なスカウトにストーカーや同僚キャスト……。
全てが複雑に絡み合い、目には見えない真綿のような鎖でゆっくりと……。
でも確実に身体を締め上げる。
痛みに気づいた時には、身体に食い込んだ鎖で身動きが取られへんようになってた。
俺と過ごすときだけが、その痛みを忘れる唯一の時間。
なんで優衣の苦しみに気づいてあげられへんかったんやろう……。
優衣を救えるなら、俺の命なんて本気でいらんと思った。
俺にできることは何でもやった。
ただ必死に、ただがむしゃらに……。
でもある日突然連絡が取られへんようになって、心配で優衣のマンションに向かった。
マンションの前は、黄色いテープに青いビニールシート。
そして警察と救急車。
そこから先のことはよく覚えてない。
警察署で事情聴取された後、俺宛の手紙が残されてたって聞いた。
その手紙の最後の言葉は
「ごめんね……」
やった。
俺、悔しくて……。
警察署からの帰り道。
とぼとぼ歩きながら、雨のなかを傘も差さずに大泣きした。
濡れてることなんか気にせずに、泣いて泣いて泣きまくった。
自分の不甲斐なさに、自分の無力さに……。
俺は大切な人ひとりも守られへんのかって……。
もしも俺に金があったら、知恵や人脈があったら、権力があったら、そして優衣と生きる小さな勇気があったら……。
『 “ 過去の自分のように後悔してほしくない ” 』
その決意が今の仕事につながっていくねんけど。
今の俺やったら、あの時の優衣を救えたかなってたまに思ったりもする。
これが俺の「真実の物語」。
あの日から、今も俺の「使命」は変わらない。